前回の記事では、「自分軸とは何か」「自分軸で生きるメリット」「他人軸で生きるデメリット」を解説しました。改めて復習すると、「自分軸」とは他人の意見を優先するのではなく、「自分がどうしたいのか」を最優先に考え行動することをいいます。
このページでは、この「自分軸」を持てない原因や、「自分軸」を持って生きるための方法をお伝えしていきます。
読み進めていただくと、「自分軸」を持っていきていくことに希望を持つことができるはずです。その詳しい方法までご理解いただけるでしょう。
自分軸を持つことができない人によく見られる原因4つ
「自分軸がないままで生きていくのはもう嫌」「これからは自分軸を持とう」を考えた方もいるのではないでしょうか。ここでは、これまで自分軸を持つことができなかった原因をもう一度確認します。
原因を知ることで、なぜ自分軸がないのか、どうすれば自分軸で生きていけるのか対策しやすくなり、これから自分を変化させることに抵抗感がなくなるでしょう。
それでは、自分軸を持てない人によく見られる原因を解説します。
「自分軸」を持てない人によくある原因4つ
・褒めてもらった経験が少ないため自分に自信が持てない ・自分で決めて失敗した過去の経験が忘れられない ・周りの人への承認欲求が強い ・他人から嫌われることへの恐怖が強い
褒めてもらった経験が少ないため自分に自信が持てない
子どものころに、親や先生など大人から褒めてもらった経験が少ないと、自分に自信を持てなくなる傾向にあります。
叱られた経験が多かったり、「ダメな子だ」などマイナス言葉を受けた経験があると、「自分は何をやってもうまくいかない」と思い込んでいる場合も同じです。
自分に自信が持てなくなると、周りの人の顔色が気になり、「また怒られるんじゃないか」と不安なり自発的な行動ができなくなるでしょう。
この場合に大切なのは、自分の感じていることは「思い込み」であると認識することです。「怒られる」不安があると、自分の言動が「間違っているんじゃないか」と不安になり、萎縮してしまいます。
この思い込みを捨て、小さなことから成功体験を積み重ねていきましょう。自分の力で成果を出せた、という経験が増えていくと、「自分はやればできる!」という自信や喜びを感じることができるでしょう。
自分で決めて失敗した過去の経験が忘れられない
過去に自分で決めて失敗したことがあるとそれがトラウマとなって、繰り返すことをしたくないがために、自分で決断することを恐怖と感じるようになることがあります。
自分で決断する、ということは、その責任はすべて自分にあるということです。そのプレッシャーに耐えることができず、自分で決めることができないと感じる人もいるでしょう。
いっそのこと、他人の言うとおりに行動する方が楽だと思うかもしれません。
しかし、常に自分で決断することを避けていると、他の人に依存することが当たり前となり自立した人生を送ることができないでしょう。
自分が決めたことが間違っていたり、失敗に終わったとしても、それはあなたが成長していく過程の一部に過ぎません。むしろ、失敗から学ぶことは人生において、とても大切なことであるといえます。
いつまでも失敗したことを引きずるのではなく、ポジティブに切り替えることで、自分で決断するチャンスを少しずつ増やしていくことが理想です。
周りの人への承認欲求が強い
「他の人から自分のことを認めてもらいたい」という気持ちを「承認欲求」といいます。これは、大きさの違いはあっても誰しもが持つ欲求です。
例えば、次のような欲求が当てはまります。
・自分のことを褒めてもらいたい
・行動に良い評価がほしい
・自分を肯定してもらいたい
これらの気持ちを持つことは人ですから当然ですが、承認欲求があまりにも強すぎると、「これをしたら他の人は認めてくれるだろうか」「私の言ったことを否定せず受け止めてもらえるだろうか」と他人の受け取り方を先に考えてしまうため、「自分がどう思うか」は後回しの自分軸がない生き方になってしまうのです。
「自分は周囲の評価を気にしてしまうタイプかも」「他の人が褒めてくれるかで物事を選んでいるかも」と自身を振り返ってみてください。もしそうであるなら、まずは「自分で自分を認めて、褒める」ことを最優先に行動してみましょう。
自分自身を認めて受け入れられるようになれば、周りの人からどう思われるかなど、必要のない心配や不安などを持たなくて済むようになります。小さな心がけが積み重ね、自分自身を褒め続けることで「自分らしく生きる」ことが自然とできるようになるでしょう。
他人から嫌われることへの恐怖が強い
「他人から嫌われたくない」という恐怖が強いことも、自分軸を持てない生き方に繋がります。
人なら誰でも「周りの人から嫌われたくない」と思うものです。しかし、それが強すぎると、「他人から嫌われないようにすること」を基準として、自分の言動を制限してしまうようになります。
その結果、「自分のやりたいこと」「自分がいいなと思うこと」を無意識のうちに我慢してしまうため、自分らしい行動ができなくなってしまいます。
これでは、自分軸を持つことはできませんね。
万人から好かれる人など一人もいません。「他人から嫌われてはいけない」という固定観念は手放しましょう。
このようなときには、次のような考え方があることを思い出してください。
・人はそれぞれ、様々な価値観で生きているのだから、自分の考え方が受け入れられないことがあるのは当然 ・他の人の意見を尊重することと同様に、自分の考えも尊重する
自分と他人の意見は一致しなくてもいいのです。他人の意見を否定することなく尊重した上で、自分の考えを主張すれば、人間関係はうまくいくものです。
自分軸を持って生きていくための対処法4つ
前の章では、自分軸を持っていない人に見られる原因をお伝えしました。
これまで無意識のうちに他人軸になっていたことに気づかれた人もいるでしょう。「自分の考え方の傾向が見えてきた」という人もいるかもしれません。
そこで、最後に、自分軸を持って生きるための詳しい対処法をこれから解説していきます。
自分軸を持って生きていくための対処法
・自分の本音を明らかにする ・目標をはっきりと決める ・自分の意思で物事を決める機会を増やす ・自分軸を定着させる行動を意識的に繰り返す習慣をつける
自分の本音を明らかにする
自分がしたいと考えていることがはっきりとしない状態では、何を目指して行動するべきかがわかりませんね。
これを解決するために、まず、次の質問に答えてみましょう。自分の心に向き合うことで、自分の本音が見えてくるかもしれません。
自分自身の本音が見えてくる質問(ポジティブ面)
・自分は何が好きだろう? ・何をしているときがワクワクして楽しいだろう? ・これから、どんなことをしたいのか? ・自分にとって何が大切なのか?
メモ用紙やスマホにメモを残したりして、これらの問いに自分自身で素直に答えていきましょう。この時、「その答えはなぜそうなのか」も同時に記すようにしてください。そうすると、さらに自分の思考や考え方がより深く理解することができるでしょう。
例えば、
・メイクをしているときがとても楽しい・・・それはなぜか?だんだん自分の顔が可愛くなっていくのが嬉しい
→ 周りの人から「キレイだね」と言われて嬉しくなる日が増えることを実感できる
・車の運転をすることが好き・・・自分の手でハンドルを握り、行きたい場所に自由に行ける楽しみがある
→ 音楽を聴いたり、自分と向き合ったり、自分だけの空間を大切にする時間を作れる
このようにして、理由まで考えていくと、自分が大切にしたいことがはっきりと見えてきます。
しかし、中には「好きなことがわからない」「やりたいことが見つからない」という人もいるでしょう。その場合は、反対側の見方から考えてみるのも一つの手です。
自分自身の本音が見えてくる質問(ネガティブ面)
・自分の嫌いなこと ・何をするとき面白くないのか? ・どんなことをやりたくないか? ・しなくてもいいなら何から省くか?
「やりたくないこと」の方がはっきりと浮かんでくるかもしれないですね。
例えば、
・整理整頓が苦手・・・片付けは面倒だし、とりあえずそこらへんに物を置いてしまう
→ 本当片付け上手になりたいのに、何から始めていいのかわからないからできないのかも?とわかる
人それぞれ、「やりたくないこと」は違いますが、これらを突き詰めることで、自分の本音を明らかにすることができるでしょう。
目標をはっきりと決める
自分の本音が見えてきたら、この次は「未来はどうしていきたいのか」という目標をはっきりと決めます。
目標が曖昧なままだと、実際に行動に移す気持ちが芽生えにくいでしょう。本当に達成したい目標が決まると、「必ず実現する」という気持ちになりやすく、自然にそれに向けて行動ができるようになるものです。
例えば、いつもYouTube視聴やSNS検索などが好きで習慣だったとします。
自分は将来「動画編集者になる!」という目標を立てた・・・今は動画編集者になるための勉強をするべきだ
→ YouTubeやSNSを見たりするのは控えよう
このように自制することができるようになり、自分自身の目標に向かって進んでいくことができて、目標が達成できないという事態を避けることができるでしょう。
まずは、はっきりとわからなくてもいいので目標を立てるということを始めてみましょう。
メモ用紙に自分のやりたいことをどんどん書き出します。
・美容の勉強をして、直にお客さんを美しくできるサロンを作りたい ・海外移住をして、マリンスポーツができる環境で生活をしたい ・パソコンひとつで仕事ができて、時間や場所を決めずに自由に仕事をして暮らしたい
など、「実現できるかな?」など迷うことなく書き込んでいきましょう。
この時に、他人がその夢に対してどう思うかなどは関係ありません。
自分自身の率直な思いを書いていくことで、自分が本当にやりたいと思うことを見つけられるようになります。
これこそが「自分軸」というものです。
自分の意思で物事を決める機会を増やす
目標を決めたら、次は「自分の意思で物事を決める機会」を増やしていきましょう。
はじめは小さなことからでも大丈夫です。他人の考えにとらわれず、自分で決めることを意識しましょう。
・友人と行ったランチ。いつもはメニューを選ぶのに悩むけど、自分が食べたいものを選ぶ。 ・旅行先を決めるとき。一緒に行く人に決めてもらうと楽だけど、自分の意見で生きたい場所を決める。 ・将来就きたい職業は、親の言いなりになるのではなく、自分のやりたい職業を選ぶ。
このようにして、自分で物事を決めることになれていくと、自分で自分の人生をコントロールできる自信がつき、これまで人任せにしていた「決める」作業が「楽しい」と感じることができるでしょう。
しかし、周りの人と何かを決めなくてはいけないときに、自分の意見を押し通すことはしなくても大丈夫。他人の意見を尊重しながら、自分の意見も述べて、折り合いのつくところで決定していけばいいのです。
何でも人任せにするのではなく、自分の意見を他人に伝え、受け入れてもらえたという経験が積み重なり、自分に自信がついていくという好循環を巡らせていきましょう。
自分が納得できる判断基準が持ち、行動できるようになることが理想です。
自分軸を定着させる行動を意識的に繰り返す習慣をつける
最後にお伝えしたいことは、「自分軸を定着させる行動を繰り返す習慣」を身に着けることです。
これまで自分軸を持たずに生きてきていると、なかなかその体質を変えることは簡単ではありません。改善しようとする過程でも、「他の人はどう思うかな」「これって嫌われるかな」という不安を持ってしまうこともあるでしょう。
そんな風に他人軸の考え方に逆戻りしてしまうことがなくなり、自分軸を定着させるためにしたらいいことを次に解説していきます。
自分軸を定着させるためにするべき行動
・有名人や職場や学校などで自分軸で生きている人を探して、「あんな人みたいに生きる」と 目標を決め、その人の言動を真似たり、その人が物事に対してどのように考えて行動するかを イメージする習慣をつける ・自分の将来の夢や目標を自分で決めて、それをノートやスマホのアプリにメモしたり、日記をつける。 ・スマホやテレビから離れ、自分自身と向き合う時間を定期的に作る ・一日のうちで、自分軸で行動できたことを振り返り、できた自分を褒める ・鏡に自分の顔を映し、「自分ならできる。大丈夫」と声に出して話しかける
誰でも、常に自分軸を持ち続けるというのはなかなかできることではありません。そこで、上記のような行動を意識していくことで、自分軸を持ち続けられるようにトレーニングしていくことが大切です。
そして、これを保つには一度すれば身につくものではないので、日々心がけて習慣づけていくことが非常に重要です。
次のような行動に気を付けて、意識づけができるようにしていきましょう。
・お風呂で湯船に浸かっている時間に、その日の自分軸で行動できたことを振り返り、自分を褒める ・一日の終わりに、その日あったこと、印象に残ったことを日記につける ・寝る2時間前にはスマホを見ることをやめ、「明日必ずする」ことを一つ決める
急にすべてを変えることは誰しもができることではありません。
こういった作業をコツコツと積み上げていくことで、いつしか自分軸を持つことが「当たり前」のことになっていくでしょう。
まとめ
このページでは、「自分軸」を持てない原因や、「自分軸」を持って生きるための方法を解説しました。「自分軸」が持てない原因には、その人が生まれ育った環境や、生活習慣や周りの人からの影響などが考えられます。
幼少期の辛い経験や他人から嫌われたくないという恐怖などで、自分の考えよりも他人の意見を優先してしまう人も多いことでしょう。
しかし、他人軸で生きていると、自分の力で「生きている」という人生の充実感を得ることができないので、いつも他人の顔色を伺って、自分の行動に自信が持てず、モヤモヤとしてしまうことにストレスが溜まるのです。
だからこそ、「自分軸」を持ち、他人の意見を尊重するのと同じように、自分の考えも大切にする習慣を身に着ける必要があるのです。そうすることで、自分の意思で物事を決めるという充実感を味わえることができるでしょう。
このページでお伝えした、「自分軸」を持てるようになる方法を実践し、今後の人生を自分軸で生きていくという自覚を持っていただけると、私はとても嬉しく感じます。
私自身が他人軸で生きていて、いつも他人に振り回されていることに気づいてから、自分軸に切り替えてきた経験があるからこそ、強くお伝えしたい内容でした。
自分で物事を決める。それは他人と対立することではなく、人とのコミュニケーションを上手く図るための一つの方法です。
周りの人と自分が納得のいく話し合いができるように、日々トレーニングをして、我慢することなく自分軸で生きていけるようになりましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!