「自分軸」とは、他人の意見を優先するのではなく、「自分がどうしたいのか」を最優先に考え行動することをいいます。その反対に「他人軸」とは他人を基準にすること。こちら側で生きていると、いつも他人に合わせることで気持ちが辛くなったり、自分の考えを後回しにしてしまうことから、ストレスが溜まることが多くなるでしょう。
これらの生き方の違いは、幼少期からの両親の影響によるものであったり、長年の経験から自分の中で根付いてしまっているものであるため、「変えよう!」と思ってもそう簡単に変えられることではないかもしれません。
しかし、このことに気づいたあなたには、「自分軸」を手に入れるチャンスが訪れたのです。これから「自分軸」を手に入れる手順を知り、自分軸を強くする行動を日々心がけることによって、これまでの思い込みを手放し、自分の考え方や行動を変えていくことが大切です。
このページでは、「自分軸」を持って生きていこうと考えている方に次の内容を解説していきます。
ぜひ、あなたの「自分軸」づくりに役立ててください。
この記事でわかること
・自分軸と他人軸の違い
・自分軸と単なるわがままとの違い
・自分軸を持つメリット
・他人軸で生きるデメリット
・自分軸を持って幸福度を高める方法
自分軸と他人軸の違いとは
「自分軸」とは、最初にお伝えしたように、「自分がどうしたいのか、どうありたいのか」を最優先に考え行動することをいいます。
一方で他人軸とは、「自分の考えよりも他人の意見を優先して行動すること」をいいます。
他人軸の考え方で生きている人は、自分の考えややりたいことを後回しにするため、気づかないうちにストレスを溜めたり、自分に自信がなくなってしまったりするため、自分の人生に満足感が得られず、幸福度が下がってしまう傾向にあります。
他人軸で生きる人にとって、他人からの評価や見られ方はとても大切です。これは、若い年齢層の人に多い傾向ですが、他人からの評価を気にするあまりに、自己評価を下げてしまうことは望ましくありませんね。
人生の経験が増えていく中で、他人の評価を気にせず、自分のやりたいことを明確にし、行動していくことができるようになると、納得のいく人生を送ることができるでしょう。
他人軸で生きていて辛いことに気づいたら、早めに自分軸を持つことに集中して、考え方を変えていくことがとても大切です。
自分軸と単なるわがままの違い
「自分軸」と「他人軸」の違いについてはお分かりいただけたでしょうか。
しかし、「自分軸で生きる、って単なるわがままじゃない?」「自己中な人ってこと?」と思われる方もいるかもしれませんね。
こちらでは、それらの違いについてお伝えしていきます。
「自分軸がある人」と「わがままな人」との違いは次のとおりです。
自分軸がある人:他人の意見に振り回されず、「自分がどうしたいか、どうありたいか」を明確にして行動する人
わがままな人:自分のやりたいこと、考え方を他人に無理やり押し付けて、他人の行動を変えようとする人
この説明からわかるように、「自分軸がある人」は他人の意見に振り回されることなく、自分のやりたいことや目的に向かってブレずに行動することができます。
一方、「わがままな人」は、自分の思い通りにならなければ、他人の感情など関係なく無理に押し付けたり、自分の言い分を通そうとしたりするのです。
一見、他人に振り回されない心の状態であったとしても、他人の感情や行動に配慮できないような人は、「自分軸」ではなく、わがままであったり、自己中心的な人だということです。
これらのことから、「自分軸」があることと「わがまま」であることには、こんなに違いがあることを認識することがとても大切です。
「自分軸がある」ことと「わがままである」ことの違いについて知ることで、さらに理解を深めることができたのではないでしょうか。
それでは次に、実際に「自分軸」を持つことができると、どんなメリットがあるのかをお伝えします。 これらのメリットを知ることで「自分軸」を持つことへのモチベーションアップにつながり、あなた自身の行動が変化していくことでしょう。
自分軸を持つメリット
- 自分らしく充実した毎日を送ることができる
- 他人に依存することなく自立できる
- 自己肯定感が高まる
- ストレスが軽減する
- 他人を尊重できる、認めることができるようになる
これらについて解説します。
自分らしく充実した毎日を送ることができる
「自分軸」を持つと、他人の顔色や言動に惑わされることがなくなるため、自分らしくいきていくことができます。他人の言動を優先して自分らしく生きることができないと、日々が鬱々として充実度が下がってしまいます。
周囲の空気に合わせることばかりを考えていては、本来の自分がやりたいことや考え方とは異なる行動をせざるを得なくなってしまうかもしれません。
そこで、「自分軸」を持つことができたら、「私がしたいのはこれじゃないんだけど…」と嫌々過ごすよりも、「あの人はあの人のこと」「私はこれがしたいから、こっちにするね」と割り切って考えることができるため、自分らしく充実した毎日を送ることができるようになるのです。
他人に依存することなく自立できる
「自分軸」があると、他人に依存することなく精神的に自立して生きていくことができます。
自分軸を持たない人によく見られることに、「人の言うとおりに進路や就職などを決めてきた」という場合があります。このように自分で決めることが習慣付いていないと、いざ重要な判断をしなくてはいけないときに、自分一人では決断できなくなったりするのです。
自分で物事を決断しないままでいると、常に他人に決断を依存したまま、「何も決められない人」になってしまうでしょう。
しかし、「自分軸」を持っていれば、他人の意見の中から役に立つ部分は取り入れながらも、最終的には自らの考えで決断がするため、どんな結果であろうとも納得ができるし、自立した生き方で過ごすことができるでしょう。
よくあることに、他人に決められた道で生きていると、挫折したときに「あの人に言われた通りにしたから失敗したんだ」などと他人のせいにしてしまうのが、「自分軸」を持たないことによる弊害とも言えます。
これでは、助けた側も助けられた側もお互い不幸ですね。 他の人の助けや支配されることに縛られず、自分の意志で生きていけるようになるという点が、「自分軸」を持って生きることのメリットであると言えるでしょう。
自己肯定感が高まる
自分軸を持たず、他人の意見を優先してばかりだと、「自分には価値がない」と感じたり、他人の評価ばかりが気になってしまうことがあります。
これが続くと、「自分は他人よりも劣っている」という意識を常に持ってしまい、自分のことを好きだと思えなくなってしまうかもしれません。
しかし、自分軸があると、自分の考えのもとに行動を決めることができるため、自分に自信を持つことができるのです。
これを繰り返して、成功体験が増えていくことで「自分は他人よりも劣っている」というネガティブな感情を持つことがなくなり、自己肯定感を高めることができるのです。
ストレスが軽減する
自分軸を持つと、必要のないストレスを減らすことができます。他人軸の人は、自分の気持ちを抑えて他人の言動を優先してしまうという生き方をすることから、自分軸で生きる人よりも大きなストレスを抱えることになります。
「本当はこれじゃなくて、こっちがしたいのに」と我慢したり、「あの人から良く見られたいから」と無理をしたり、他人軸で生きると自分の気持ちなんて後回しにしてしまうのです。これでは、毎日他人の気持ちにばかり目を向けて、自分の心をないがしろにしているようなものです。
そんなネガティブな感情を持ち続けると、ストレスはどんどん重なってしまうでしょう。
しかし、「自分軸」を持っていると自分の考えをもとに行動できるので「自分の気持ちを押さえつけている」というネガティブな感覚を感じにくくなるのです。
このように、必要のないストレスを軽減できるということも、「自分軸」を持って生きることのメリットの一つだといえますね。
他人を尊重できる、認めることができるようになる
「自分軸」がある人は「他人にもそれぞれの考え方があり、自分の主張とは違って当たり前だ」ということを知っています。
そのため、自分とは違う考え方の人がいても、それを否定したり批判したりして「自分の意見が正しい」ことを強引に主張することはありません。
自分の考え方と同じく、相手の意見も尊重することを前提に行動するので、他人とのコミュニケーションも円滑であることや、不要な争いごとはしなくて済むので、良好な人間関係を築くことができるでしょう。
他人軸で生きるデメリット
- 他の人からの信頼を得られない
- 自信が持てず、決断ができない
- 思い描く夢や達成したい目標が叶わない
- 人生の充実度、幸福度が上がらない
他の人からの信頼を得られない
他人軸で生きている人は、自分の意見を持たず他人の意見に左右されるため、言動に一貫性がなくなります。
場の空気に合わせて言うことが変わるため、周りの人は「前と言っていることが違う」と不信感を持つようになることもあるでしょう。
これが続くと、人としての評価が下がったり、人格を疑われたりするのも仕方ありません。
生活していく中で、他人と関わらずに生きていくことは不可能です。このことから、職場でも家庭においても、周りの人との信頼関係を築いていくためには、自分の意見を持つということはとても大切なことです。
よって他人からの信頼を得ることが難しくなるということが、他人軸で生きるデメリットの一つであるといえます。
自信が持てず、決断ができない
自分軸がなく他人軸で生きていると、自分に自信が持てないため、他人の言いなりで行動します。
これを繰り返していると、小さなことでも自分で決断できなくなり、何をするのでもネガティブな感情に襲われて悩むことが多いでしょう。
「これをすると他の人からおかしいと批判されるのではないか」
「誰の言うことを信じたらいいかわからなくて不安」
「自分一人ではなにもできないと落ち込む」
他人のいうことを聞いておけばある意味楽ではありますが、常に何も自分で決めることをせずに生きていると「自分には何もできない」とネガティブな思い込みが定着してしまったり、不用意に他の人の犠牲者になったりして、良いことはありません。
このように「自分で決断できない人になってしまう」というあたりも、「他人軸」で生きることのデメリットです。
思い描く夢や達成したい目標が叶わない
「自分軸」があると、夢や目標に向かってまっしぐらに突き進むことができます。反対に「自分軸」がないということは、達成したい目標が叶いにくくなってしまうということ。
自分軸がない人には、「自分のやりたいこと」が何なのかがわからない、見つけられないということが多くありますが、これは他人に決断を委ねる習慣がついていることで、自分が本来目指していたことが見えにくくなってしまっているということです。
仮に、何か夢や目標を見つけたとしても、ネガティブな感情に襲われつまづいてしまうことが多くなり、目標達成まで貫き通すことが難しいことがあるかもしれません。
・周囲から何と言われるかが不安で前に踏み出せない
・周りがどう思うかを先に気にするため、最短距離で目標に進めることが難しい
・「常識」という思い込みや、無難な風潮に流され、目標が定まらない
・人の意見に左右されるため、うまくいかなくなると失敗を人のせいにしてしまう
このように、自分軸がないことで夢や目標を叶えることが遠い道のりとなってしまうのです。
人生の充実度、幸福度が上がらない
他人軸で生きることのでデメリットとしてお伝えする最後の項目は「人生の充実度、幸福度が上がらない」ということです。
人間が生きていく上で幸福を感じるために必要なものは「健康」や「人間関係」が上げられますが、それに続いて影響力が高いのは、「自己決定」であるといわれています。
「自己決定」ができるようになると次のような結果が得られます。
・自分で人生の選択をした人は、目標の達成のために自らの意志で努力を継続できるため、 成功できる可能性が高い。 ・成功という結果に達成感や自己肯定感が得られるため、満足度や幸福感が高まる。
自分で夢や目標を定める「自己決定」がいかに重要かおわかりいただけたと思います。他人の意見を優先して「自己決定」をおろそかにする習慣をつけていると、幸福感は高まらないということです。
自分軸を持ち、最短距離で自分の目標を達成できたら、人生は充実したものになるでしょう。
まとめ
このページでは、「自分軸」で生きるとはどういうことであるか、「自分軸」を持つメリット、持たないデメリットを解説しました。「自分軸」とは、自分がどうしたいか、どうありたいのか」を基準に行動することです。
自分軸を持つと、他人の意見を尊重しながらも、自分の考えを優先にして行動することができます。
他の人の意見を認めることができるので、人間関係も円滑になるでしょう。
自己肯定感を高めることができて、必要のないストレスも溜めることがありません。
「自分軸」を持っていないことに気づいた方は、ぜひ自分軸を確立できるように、トレーニングをしていきましょう。
次回は、「自分軸」で生きられない人に見られる原因や「自分軸」を持って生きていくための方法を解説していきます。
今日はこのあたりで!
最後までお読みいただきありがとうございました。